2025年4月15日、「足育基礎講座」をオンラインで開催しました。
今回は、保育士や子育て支援団体の方、作業療法士、介護福祉士など、子どもや高齢者の支援に関わるさまざまな分野の方々が、全国から参加してくださいました。
「乳幼児期の足の育ちを学びたい」「高齢期の足の健康にもつながる知識を深めたい」といった想いや課題意識を持った皆さんが集い、足と靴の大切さを見つめ直す学びの時間となりました。

足育基礎講座は、どんなことを学ぶの?
足育基礎講座では、足の基礎知識と幼児期から身につけておきたい足と靴に関する基本的な習慣を学びます。
今回では、3つの科目それぞれで寄せられた受講者の皆様の感想を通して、講座の学びをご紹介します。
【総論】足育の目的と全体像をとらえる
当協会理事長の玉島麻理による「総論」では「足育とは何か」という全体像を学びました。
子どもの体づくりの土台として足がどれほど大切か、そして“足を育む”ために大人がどのように関わるべきかを考える時間となりました。

判断する目を養うことが大切、という言葉が強く響きました。今まで何となく聞いたことがある程度の知識でしたが、今回の講座で深く理解することができました。もっと知りたい、足育アドバイザーとして活動していきたい、という思いが強くなりました。

保育現場にいながら、子どもの足を育てることをしっかりやってこなかったことを残念に思いました。正しい靴選びや履き方を伝えられるようになりたいです。

受講されている皆さんはさまざまな立場ですが、子どもの未来を思っての参加だと感じました。私も子育てが少し落ち着いた今、日本足育プロジェクトをもっと早くに知りたかったと実感しています。でも“桜梅桃李”のように、今からでも自分らしくお役に立ちたいと思いました。
多くの受講者にとって、「足育」という言葉の奥にある意味にじっくり向き合う時間となり、「もっと早く知りたかった」「これから伝えていきたい」という意識を持たれたようです。
【解剖学】「足は小さいけれど、すごい構造」
福本貴彦先生(畿央大学 健康科学部 理学療法学科 教授)による「解剖学」では、足の骨や関節、筋肉の構造を学びました。
片足には26個もの骨があり、それぞれが連携しながら動くことで、立つ、歩く、走るといった動作を支えています。
手と足を比較しながら、画面越しに共に手や足を動かし、精巧な仕組みを体感的に理解していきました。

足指の鍛えが全身に良い影響を与えることがわかりました。足と手の骨の比較もとても興味深かったです。

仕事柄、解剖学は学んだことがありましたが、ケガをしない体づくりには構造を理解することが大切だと、あらためて感じました。
骨や筋肉の名前は難しいと感じる方もいましたが、

聞き慣れない名称は頭に入らないけれど、手や足が動く仕組みは何となく掴めた
という声もあり、専門知識を「体感」から理解する学びの機械になったようです。
【足育学・幼児期】習慣が未来をつくる——足と靴の基本
小野直洋先生(小野整形外科院長)による「足育学(幼児期)」の講義では、幼児期の足の発達と足育の関わりを学びました。

5歳くらいまでにどんな有意義な運動をさせるかなどの神経についてのスキャモンの話、良い子供靴の条件、幼児期の運動の大切さ、また、身につけておきたい36の基本動作は特に興味深かったです。

サイズが合っているか、痛いところはないかを子どもに尋ねるのは愚問だったと気づかされました。足を育てることは大人の責任だと、強く感じました。
小野先生の「バリアフリーな環境が、実は子どもの成長を妨げていることもある」という話に衝撃を受けたという声も多く、

大人にとって便利なことが、子どもにとっては成長の機会を奪っているのだと気づかされました。

大人が子どもの成長を妨げているんだと感じました。もっと早くに知っておきたかったです。
という率直な声が寄せられました。
日々の靴選びや声かけ、遊びの機会の積み重ねが、将来の健康な体づくりにつながっていくことを実感する時間となりました。
足育は「学んで終わり」ではなく、「伝えていく学び」
今回の足育基礎講座では、「子どもたちの足を守るために、まず大人が学ぶことの大切さ」を改めて実感していただくことができました。
自分の足、身近な子どもの足、支援する相手の足に目を向けるきっかけとなり、「足育をもっと広めたい」と感じてくださる方も多くいらっしゃいました。
足や靴に関する知識は、学ぶことで“見え方”も“伝え方”も変わっていきます。
足育基礎講座は、そんな学びの第一歩です。
次回の足育基礎講座、受付中です
子どもの足の健康を守るために、足と靴についての基礎を学びませんか?
こんな方におすすめです。
- 子どもの靴の選び方を”なんとなく”で済ませている
- 保護者へどう説明すればいいか悩んでいる
- 足育に関心はあるけれど、何から学べばいいかわからない
基礎から体系的に学べるこの講座は、初めての方も安心してご参加いただけます。
次回は2025年5月25日(日)開催(申込締切:5月11日)です。
その後も、6月〜8月にかけて月1回の開催を予定しています。
詳しい日程と内容は次の記事からご確認ください。